授業中に板書を写し、色を分け、きれいなノートを作っている。 それなのに、家で見返しても内容が頭に入ってこない。
ノートを取ること自体が悪いのではありません。 問題は、先生の説明をノートへ残すことと、自分が理解できることは別だという点です。
板書ノートは、授業の記録として役立つ
板書を記録しておけば、授業後に見返せます。 その場ですべてを理解できなくても、復習する材料が残ります。
ところが、授業中は先生の話を聞きながら書くだけで精一杯になることがあります。 書き写す内容と順序は先生が既に選んでいるため、生徒自身が次を考えずにもノートは完成します。
- 何が重要なのか
- なぜそうなるのか
- どの知識とつながっているのか
- どの条件で使うのか
ノートに情報が残っていることと、自分の中で情報が整理されていることは分けて考える必要があります。
ノートを閉じて「要するに何だったか」を書く
理解できているかを確かめるには、板書ノートをいったん閉じます。 そして、学んだ内容を「要するに何だったのか」と自分の言葉で書きます。
ここでいう「自分の言葉」は、文末や表現を別の言い方へ変えることではありません。
- 必要な情報を選ぶ
- 一つの内容を短く説明する
- 知識同士の関係を表す
- 説明できない用語を残す
という作業です。
言葉が出てこなければ、元の説明へ戻る。 重要な内容が抜けていれば、付け足す。 一行に多くの内容が混ざるなら、複数の説明へ分ける。
この書き直しによって、板書を写しただけでは見えなかった理解不足が現れます。
実際に「情報Ⅰ」の教科書をメモすると
私自身、高校「情報Ⅰ」の教科書を読み、本文だけでなく図表や欄外の注釈に登場する用語も拾ってPCメモを作っています。
たとえば、教科書に登場する「データ」「情報」「知識」を、次のように整理しました。
データ: 事実や事柄を表す記号
情報: 人間が判断し、行動できるように意味を付加した{データ}
知識: 問題解決に利用できるように整理・蓄積した{情報}
単語と説明をばらばらに暗記するのではなく、
データ → 情報 → 知識
という関係にしています。 「情報」を説明するには「データ」が必要で、「知識」を説明するには「情報」が必要だと分かります。
このメモは短いですが、作るには教科書から用語を見つけ、説明を圧縮し、関係を考えなければなりません。 教科書の文章をそのまま書き写すのとは、異なる読み方です。
板書ノートとPCメモは使い分ける
板書ノートをやめる必要はありません。 授業の流れや先生の説明を残す記録として使えます。
その上で、授業後に必要な内容をPCメモへ書き直します。 PCであれば、後から説明を書き換え、順序を入れ替え、別の用語と関係づけられます。
教科書を自分の言葉で整理する具体的な書式は、「教科書のメモの取り方」で紹介しています。
後藤IT塾では、完成したノートではなく書き直しの過程を見る
一人で書いていると、説明できているつもりになったり、重要な用語自体を見落としたりすることがあります。
後藤IT塾では、生徒が書いたPCメモを講師も確認します。 説明が曖昧な箇所、必要な内容の抜け、関係が分からない箇所へコメントし、生徒自身が書き直します。
この改善を繰り返す仕組みは、「質問前の「分からない」を支援するレビュー駆動学習」で紹介しています。
自分の言葉で書くことがなぜ理解につながるのかは、「自分の言葉で書くとなぜ理解が深まるのか?」で説明しています。