勉強には、はっきりとした終わりがありません。

教科書を理解しても、問題集や復習が残っています。 一つの単元を終えても、次の単元があります。

「今日はここまで終わらせよう」と決めても、思ったより時間がかかり、 達成できなかったという感覚だけが残ることもあります。

私は、こうした終わりの見えない作業を続けるためにタイマーを使っています。

やることの多さに圧倒される

私にも、読みたい本、書きたい塾記事、開発したい機能が大量にあります。 取り組んでいる間にも、調べたいことや作りたいものが次々と増えていきます。

やることを全部眺めると、それだけで圧倒されてしまいます。

そこで、

  • 今日は本をここまで読もう
  • 今日は記事を一本完成させよう
  • 今日はこの機能を実装しよう

というように、今日完了させたい作業を決めます。 作業の範囲を限定すると、漠然と全部を抱えるより取り組みやすくなります。

完了のプレッシャーと罪悪感

作業の範囲を限定しても、完了させること自体が重く、気が進まないことがあります。

たとえば「今日は本を10ページ読もう」と決めても、 思いのほか内容が難しく、予定どおり進まないことは少なくありません。 作業がどれくらい進むかは、自分で完全には制御できないからです。

それでも、10ページという目標を達成できなければ、 取り組んだ時間まで「失敗」のように感じてしまいます。

一方、「今日は決めた時間だけ取り組む」なら、 作業が完成しなくても、その日の目標を達成したと考えられます。

なぜタイマーなのか

時間で区切るといっても、「今日は5時間勉強する」では、 その長さ自体が新しいプレッシャーになります。

膨大な作業を今日の作業へ分けたように、 長い時間も短い時間へ分けます。

そこでタイマーが便利です。

やる気に依存しない仕組み

タイマーを使う以前は、作業を始めても、 すぐにスマートフォンやYouTubeを見てしまいがちでした。

しかし、タイマーを開始すると「いまはこの作業の時間だ」と区切られるため、 ほかのことへ逃げにくくなります。

それでもスマートフォンを見てしまうことはあるのですが(笑)。

始める前は気が重くても、いったん手を動かすと、 そのままやる気が出て集中できることがあります。 いわゆる「作業興奮」と呼ばれる感覚です。

気分が乗ってきて、「もう一時間追加しよう」と思うことすらあります。

やる気が出るのを待つのではなく、とりあえずタイマーを開始する。 これが大切だと私は実感しています。

毎日コツコツ

もちろん、私も毎日予定どおりに取り組めるわけではありません。 タイマーを開始できない日や集中できない日もあります。

私の場合は、一時間を一セットとして、その日に取り組みたい作業へ割り振っています。

それでも、 「今日は5セットのうち2セットできた」 「全部のセットはできなかったけど、今日も少し本を読み進められたし執筆も進んだ」 という日が増えました。

「とりあえず1時間タイマーを設定する」というハードルの低さのおかげでコツコツと作業できるようになりました。

タイマーを使う以前は、やることの多さに気が重くなり、 結局何もしない日も珍しくありませんでした。

いまは「とりあえず一時間だけ」と始めることで、 積んでいた本を読み、開発や記事の執筆も少しずつ進められています。

一日も欠かさず続けることより、できる日に一セット始め、 途切れた後もまた再開することの方が大切です。

タイマーは、膨大な作業量に少しずつ立ち向かうリズムを与えてくれました。

後藤IT塾にも取り入れる

後藤IT塾では、オンライン対面指導の時間だけでなく、 学校や放課後を含む日々の学習を重視しています。

しかし、学校の宿題だけでも面倒に感じている生徒へ、 教科書を読み、PCメモも作るように求めるだけでは、負担が増えてしまいます。

そこで後藤IT塾では、毎週のオンライン対面指導で、 いつ、何に、どれくらいの時間なら取り組めそうかを生徒と一緒に考えます。

まずタイマーを開始し、決めた時間だけ教科書、宿題、PCメモのいずれかに取り組む。 私と同じ一時間を求めるのではなく、その生徒が始められる時間から試します。

タイマーを開始しただけで、内容を理解できるわけではありません。 タイマーは、学習を始めるための仕組みです。 その時間に分かったことや分からなかったことはPCメモへ残し、 講師のレビューを次の学習へ生かします。

まず一セット始める

勉強でも、読書でも、開発でも、終わりの見えない作業を前にすると気が重くなります。

全部を終わらせようとせず、まず自分が始められる時間だけタイマーを設定する。 時間が来たらいったん区切り、続けられそうならもう一セット追加する。 できない日があっても、また次の一セットを始める。

その繰り返しが、終わりの見えない作業を少しずつ前へ進めるリズムを作ってくれます。